2017年法律改正情報

関税法

1、輸出入申告官署の自由化【新設】

AEO事業者(認定事業者)のうち、輸出入者及び通関業者等に限って、特例的に、いずれかの税関長に対しても輸出入申告を行うことが可能となった。

○輸入申告の特例(関税法67条の19、関税法68条の2)

特例輸入者又は特例委託輸入者は、関税法67条の2第1項又は2項(輸出申告又は輸入申告の手続)の規定にかかわらず、いずれかの税関長に対して輸入申告をすることができる。また、税関長は、関税法67条(輸出又は輸入の許可)の規定による申告に係る貨物が他の税関長の所属する税関の管轄区域内にある場合において、当該貨物につき、同条の規定による検査を行う必要があると認めるときは当該他の税関長に対し、当該検査に係る権限を委任することができる。

○輸出申告の特例(関税法67条の3第1項)

特定輸出者特定委託輸出者特定製造貨物輸出者は、いずれかの税関長に対して輸出申告(特定の貨物を除く)をすることができる。

2、輸出申告の特例を適用しない貨物の指定

輸出申告の特例における、関税法施行令59条の8に規定する以下の貨物においては、輸出申告の特例を適用できないとしており、③が新たに追加された。

  1. 輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物
    (例)銃砲、爆発物、防弾衣など
  2. 輸出貿易管理令別表第4に掲げる国又は地域を仕向地(例:イラン、イラク、北朝鮮など)として輸出される貨物であって、外為法48条1項(輸出の許可等)に規定する許可又は同令2条1項(輸出の承認)の規定による承認を必要とするもの
  3. 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防護援助協定第6条1aに規定する輸出される資材、需品又は装備
    ⇒輸入申告の特例を適用しない貨物の指定においても当該③の「相互防護援助協定第6条1aに規定する輸入される資材、需品又は装備」と規定している(関税法施行令59条の21)。

3、附帯税

□延滞税(関税法12条11項)

「減額更正の後に再び増額更正がされた場合の延滞日数の控除規定」が新設された。
「減額更正があった後、異なる論点により増額更正があった場合」の増差税額に対する延滞税は、下記のとおりに規定されている。
まず、前提として、①納税申告(特例申告においては、期限内特例申告書の提出)または、期限後特例申告書が提出されていること。かつ、②その申告に係る納付すべき税額を減少させる更正(減額更正)があった後に、当該関税額について修正申告又は増額更正があった場合、次に掲げる日数を控除して、延滞税を計算する。

  1. 当該申告又は期限後特例申告書の提出により納付すべき税額の納付があった日(その日が当該関税の法定納期限前である場合には、当該法定納期限)の翌日から当該減額更正に係る更正通知書が発せられた日までの日数
  2. 当該減額更正に係る更正通知書が発せられた日(当該減額更正が更正の請求に基づく更正である場合には、同日の翌日から起算して1年を経過する日)の翌日から当該修正申告がされ、又は当該増額更正に係る更正通知書が発せられた日までの日数

※なお、特定修正申告や特定更正により、納付すべき関税その他政令で定める関税については、(a)の部分の日数のみが控除される。

□過少申告加算税(関税法12条の2第1項、第4項)

・調査通知前の修正申告に対する過少申告加算税
その修正申告がその申告に係る関税についての税関の調査があったことにより、当該関税について増額更正があるべきことを予知してされたものでないときは、過少申告加算税は課されない
⇒調査通知後の修正申告に対する過少申告加算税は、新たに納付すべき税額(増差税額)に対し5%の過少申告加算税が課される。

□無申告加算税(関税法12条の3第1項、第4項、第5項)

無申告加算税については、期限後特例申告書の提出、又は決定後修正申告がされた場合で、その提出又は、修正申告がその申告に係る関税についての調査があったことにより当該関税について更正又は更正決定があるべきことを予知してなされたものでない場合、調査通知前の当該納付すべき税額の5%を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課するとしている。また、調査通知後の場合、当該納付すべき税額の10%を乗じて計算する。

□無申告加算税及び重加算税の加算措置(関税法12条の3第3項)

期限後特例申告書の提出若しくは、修正申告又は更正決定があった日の前日から起算して5年前の日までの間について、無申告加算税又は重加算税を課されたことがある場合には、納付すべき税額に10%の割合を乗じて計算した金額を加算する。

通関業法

1、通関業の監督行政機関が、税関長から財務大臣

通関業の許可権者(業法3条)、通関業者の監督処分(業法34条)、取消し処分(業法11条、係る6条)、通関士の懲戒処分(業法35条)などは、財務大臣が行う。
もっとも、財務大臣が税関長に「権限の委任」をする規定(業法40条の3)もあり、実際には税関長が行うことになる(下記10参照)。

2、通関業の許可基準が変更(業法5条)

従来の需給調整基準が廃止され、3つの基準(経営の基礎、能力・社会的信用、通関士設置要件)になる。

3、通関業者の営業区域の制限の規定が廃止され、「営業所の新設に係る許可の特例」が新設(業法8条、9条、業法施行令2条)

新たに「営業所の新設に係る許可の特例」という認定通関業者である通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、財務大臣にその旨を届け出ることができ、当該届出が受理された時において、許可を受けたものとみなされる。

4、通関業の許可の欠格事由(業法6条)、取消事由(業法11条)、通関士の確認拒否事由(業法31条)、通関士の資格の喪失事由(業法32条)に暴力団排除規定が新設

通関業の許可の欠格事由に『「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」の規定に違反し、又は刑法に定める一定の罪を犯した者若しくは「暴力行為等処罰に関する法律」の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの』(業法6条6号) 『「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者』(業法6条7号) 『暴力団員等によりその事業活動を支配されている者』(業法6条11号)が追加。

5、通関業者は、財務大臣の定める通関業務の料金に反して料金を受け取ってはならない。という条項が削除され、通関業務の料金が自由化(業法18条)

通関業者は関連業務の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示することのみが定められ、通関業務の料金は各営業所において決めることとなった。

6、通関業者の通関士設置義務条項が改正され、通関業務を適正に行うため、通関業務を行う営業所ごとに通関士を置かなければならない(業法13条、施行令5条)

営業所ごとに通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。 ただし、営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が通関業の許可の条件として一定の種類の貨物のみに限られている場合は、通関士の設置義務は免除される。

7、財務大臣の通関業者に対する業務改善命令の規定が新設(業法33条の2)

財務大臣は、通関業の適正な遂行のために必要があるときは、その必要の限度において、通関業者に対し、その業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

8、財務大臣の通関業者に対する監督処分から「戒告」が削除(業法34条)

財務大臣は、通関業者が業法34条各号のいずれかに該当するときは、その通関業者に対し、「1年以内の期間を定めて通関業務の全部若しくは一部の停止」を命じ、又は「許可の取消し」をすることができる。

9、財務大臣の権限の一部を税関長に委任する規定が新設(業法40条の3、施行令14条)

財務大臣は、政令で定めるところにより、その権限の一部を税関長に委任することができる。通関業の許可を受けようとする者が通関業務を行おうとする営業所の所在地(当該営業所が2以上ある場合には、主たるものの所在地)を管轄する税関長に対し、通関業の許可、許可に条件を付すること、通関業の許可申請書の提出先、許可基準の審査、欠格事由の審査等を委任することができる。

10、通関業法に規定する罰則において罰金が引き上げられた(業法41条、42条、43条、44条)

業法41条の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する
(業法41条)。
業法42条の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する
(業法42条)。
業法43条の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する(業法43条)。
また、業務改善命令(業法33条の2)に違反した者は、当該罰則に処せられる(業法43条1項1号)。
業法44条の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する(業法44条)。

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