通関士の世界

通関士の世界

通関士とはどういう職業なのでしょうか。

  • 唯一の貿易関連の国家試験
  • 国際的なステイタスのある資格
  • 就職に抜群の威力を有する資格
  • 通関業者のみならず、貿易関連業者の業務にも役立つ
  • 将来性がある

簡単にいえば、通関業者に所属して、「税関と輸出入業者間の複雑な事務を輸出入業者に代わって行う専門家」 のことです。国際貿易における輸出入は、税関に申告し、許可を得なければいけません。

その通関手続きに必要な書類の審査をするのが通関士です。

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通関士のニーズはあるの?

日本が貿易立国であることは、みなさんもご存知でしょう。日本の貿易は年々増加していて、日本において輸出入は絶対不可欠です。日本の年間輸出入件数は約1800万件といわれていて、こられらの輸出入に関する手続きを約8000人の通関士が行っています。

税関で行われている輸出入の通関手続きを代行する通関士の数はまだまだ不足しているといわれており、貿易会社や商社だけでなく、輸出入を行っている一般の企業からのニーズも高まっています。それに、 受験資格を問わないので、大学生や、自分のキャリアアップを目指す人にはもってこいの資格といえます。

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通関士の人気の秘密は?

国際的ステイタスのある資格である

学生に通関士のイメージを聞いたところ、「とてもカッコいい職業」「貿易のエキスパート」といった、きわめてポジティブな答えが返ってきました。これは、法によって一定の独占業務を与えられ、法を遵守しながら業務を行い、かつ輸出入者の権利を守る職業であることから考えられたものだと思います。

また、通関士は非常に国際的な資格です。もちろん、「通関士」の資格自体は日本だけで通用するものですが、学ぶ法律は、WTO(World Trade Orgnaization :世界貿易機関)のルールに基づいたものなのです。具体的な法律名は後述しますが、基本的には、WTO加盟国共通の法体系となっており、したがって、国際的な経済法を日々学ぶことになります。

よく、「外国にも『通関士』という制度があるんですか?」とか「『通関士』を英語に訳すことはできますか?」といった質問を受けることがあります。

外国にも「通関士」という制度はあります。たとえば、お隣の韓国には「関税士」という資格があります。また、アメリカ合衆国にも「通関士」制度があります。英語では”Registered Customs Specialist”と呼ばれ、Customs Brokerを開業できるシステムになっています。

このように、試験の難易度、システムの違いなどはあるものの、国際的な共通性を持っているのが通関士の魅力の一つです。

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就職に抜群の威力がある

通関士の資格は、就職の切り札として抜群の威力があります。通関業者にとって、通関士は非常に権威のある資格で、通関士全員合格をめざして、会社をあげて奨励している業者も数多くあります。また、合格すると合格奨励金や資格手当てを支給している会社も数多くあります。

しかし、このように会社が一丸となってバックアップしているにもかかわらず、実際には、仕事をしながら資格を取得するのは大変むずかしく、三~四年かけてやっとの思いで合格しているのが現状です。こうした事情を考えれば、どうせ採用するなら通関士試験合格者から、と考えるのも当然です。合格者なら、あとは実務を叩き込めばいいからです。通関士試験に合格しているのですから、実務も覚えやすいという利点もあります。

また、通関士の資格を学生時代に取得していることは、通関業者をはじめ、メーカー、銀行等から目的意識がはっきりしていると好意的に評価してもらえるでしょう。なお、大学生であれば、三年生までに合格しておくとよりよいでしょう。

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通関業者だけでなく、貿易関連業者の業務にも役立つ

通関士は、貿易関連法務及び輸入税に関する専門家です。したがって、通関士の試験科目は、関税法、関税定率法、外為法など貿易に従事しようとする人が知らなければならない法律となっています。

メーカーの輸出入担当者、商社マン、デパートの輸入担当者、銀行の外為担当者などは、もちろん通関士の資格がなくても業務を行うことはできますが、関税法など貿易関連法務は、こうした貿易に関する仕事に従事する人々にとって、いまや必須の知識といっていいでしょう。法律を知らなかったではすまされないのです。こうしたことから、通関業者以外の貿易関連業者の従業員の人もこの資格に挑戦しています。

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専門家として信頼を受けている

通関士は、通関業者の中でも、また取引先でも、貿易の専門家としての信用を得ています。

近年、通関士試験の受験者が増え、通関士に対する認識が高まっています。と同時に、受験生のレベルが上がり、試験の難易度が次第に高くなっていくことが考えられます。これは、受験生にとっては大変なことですが、別の見方をすれば、通関士の社会的ステイタスが向上していくことにもつながります。これも通関士の人気を高めている原因といえるでしょう。

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通関士の人気急上昇の背景と取得後の進路

通関士試験はここ数年、難化傾向を示しています。第1回(1967年度)試験の受験者が4000人弱だったのに比べ、いまやその倍以上に膨れ上がり、言うまでもなく、通関士人気が高まり、同時にレベルが上がってきています。

それでは、この通関士試験は、どのような人が受験するのでしょうか。昔も今も変わらないのが、通関業者の従業員の方々です。これらの方々には職務上必携の資格です。多くの通関業者は、社をあげて従業員全員が通関士の資格を取得するよう激励しています。

これら通関業者の方々のほか、専門学校生や大学生などの学生、メーカー勤務の方、貿易実務に携わっている方、転職希望者、資格取得をライフワークにしている方などが主な受験生ということがいえます。

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