2012年法律改正情報
1.輸出通関手続きの簡素化
従来、輸出通関において貨物を保税地域等に搬入後、輸出申告を行っていたが、これを保税地域等に入れることなく輸出申告を行うことができるようになった。ただし、輸出の許可を受ける際は、保税地域等に搬入する必要がある。
また、特定委託輸出者、特定製造貨物輸出者の行う輸出通関も特定輸出者と同様に輸出申告から輸出許可まで保税地域に搬入することなく行うこととなった。また、特定輸出者、特定委託輸出者、特定製造貨物輸出者が申告し許可を受けた貨物を「特例輸出貨物」とした。
2.水際取締りの充実・強化
輸出してはならない貨物と輸入してはならない貨物に、不正競争防止法第2条1項10号の「視聴等機器技術的制限無効化行為」第11号の「視聴等機器技術的制限特定無効化行為」が新たに追加された。
3.納税環境の設備
- 更正、決定、賦課決定の期間制限は、法定納期限等からこれまでの3年から、5年間行うことができるようになった。ただし、課税標準の申告を行っている携帯品等についての賦課決定は、法定納期限等から3年である。
- 関税の徴収権の時効も法定納期限等が、これまでの3年間から原則として5年間行使しないことにより消滅する。
- 関税の過誤納金、関税の払戻し若しくは、還付に係る国に対する請求権の時効は、これまでの3年がその請求することができる日から5年行使しないと、時効により消滅する。
- 更正の請求ができる期間が、それぞれこれまでの3年から5年に変更された。
4.輸出入通関のペーパレス化
これまでは、輸出入申告において原則として仕入書の提出が義務付けられていた。しかし、税関長は、「契約書、仕入書その他の申告の内容を確認するために必要な書類又は便益を適用するために必要な書類で、政令に定めるものを提出させることができる(関税法68条)。」とし、必要な場合のみ提出を求めることとした。ここでいう必要な場合とは、 ①輸出若しくは輸入の許可の判断のため必要があるとき、 ②関税についての条約の特別の規定による便益(これに相当する便益で政令に定めるものを含む。) を適用する場合において必要があるときとしている。
5.コンテナ条約特例法
- コンテナ条約により免税輸入されたコンテナの再輸出期間は、輸出許可の日からこれまでの原則3月から原則1年に期間を延長するようになった。
- 免税コンテナの国内運送の使用は、これまでの1回から何回でもできることになった。
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