2016年法律改正情報

1. 郵送等に係る申告書等の提出時期(関税法6条の3、国税通則法22条)

輸出申告書、輸入(納税)申告書等を税関に郵便又は信書便で提出された場合は、郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日に提出がされたとみなす(発信主義)という国税通則法22条の規定が準用されることになった。 そして、日付の表示のないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日に提出されたものとみなされる。(関税法6条の3、国税通則法22条)

2. 延滞税の免除(関税法12条7項、8項)

滞納処分の執行停止がされたとき等の場合における延滞税の免除(関税法12条7項、8項)が新設された。新たに設けられた延滞税の免除規定は、全額免除の場合と2分の1を免除する場合の2つに区分される。

  1. 延滞税の全額を免除する場合、①滞納処分の執行停止がされた場合の関税に係る延滞税、②災害などが発生したことにより納付が困難な関税に係る延滞税、③交付要求がされた関税に係る延滞税、
  2. 延滞税額の2分の1を免除する場合、①滞納処分による財産の換価の猶予がされた関税に係る延滞税、②不服申立てにより徴収の猶予がされた関税に係る延滞税、③差押え又は納付すべき税額に相当する担保が提供された関税に係る延滞税となる。
    (※租税特別措置法94条2項により「2分の1」とあるのは、特例基準割合(平成28年は、年1.8%)を超える部分の金額と読み替える。

3. 「営業秘密不正使用物品」(関税法69条の2、同法69条の11)

不正競争防止法に規定する「営業秘密不正使用物品」が、輸出入してはならない貨物に追加された。

1. 輸出差止申立て及び輸入差止申立ての際に経済産業大臣の「認定書」を申立先税関長に提出しなければならない。(関税法69条の4、同法69条の13)

営業秘密不正使用物品である場合には、①営業秘密の不正使用行為によって生じた物であること、②貨物を輸出するおそれのある者あるいは、輸入しようとする者が当該貨物を譲り受けた時に当該貨物が当該不正行為により生じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者でないこと、についての認定を不正競争差止請求権者は、経済産業大臣に求め、その認定の内容が記載された書面を交付してもらい、申立先税関長にその「認定書」を提出しなければならない。

2. 認定手続きに際しての経済産業大臣への意見の照会(関税法69条の7、同法69条の17)
  1. 不正競争差止請求権者、輸出者(輸入者)は、営業秘密不正使用行為(不正競争防止法2条1項10号)を組成する貨物に該当するか否かについて経済産業大臣の意見を聴くことを税関長に求めることができる。
  2. 税関長は、必要に応じ経済産業大臣に意見を照会できる。

上記1.2の場合とも経済産業大臣は、30日以内に書面により意見を述べなければならない。
→ 意見が述べられる前にしてはならない認定(経済産業大臣の意見が述べられる前にしてはならない認定)

  1. 求めをした者が不正競争差止請求権者である場合には、不正競争違反物品に該当しない旨の認定
  2. 求めをした者が輸出者/輸入者である場合には、不正競争違反物品に該当する旨の認定

4. 不服申立て(関税法89条、同法91条)

行政不服審査法の改正、施行により、関税法で定める不服申立て制度が大きく改正された。従来の「異議申立て」は、廃止され、これに代わり「再調査の請求」が規定された。

  1. 関税法又は、他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、税関長に対して「再調査の請求」を行うことができる(関税法89条1項)。
  2. 税関長に対する「再調査の請求」を経ず、財務大臣への「審査請求」を直接行うこともできる。
  3. 税関長の処分について審査請求があったときには、財務大臣は、関税等不服審査会へ原則としてすべての事項について諮問を行いその答申を参考に裁決を行う。

5. 通関業の許可に基づく地位の承継(通関業法11条の2)

個人の場合

通関業の許可を受けている者が死亡した場合、その相続人が被相続人の「通関業の許可に基づく地位を承継」する。 被相続人の死亡後60日以内にその承継について税関長に承継の承認申請を行い、承認を受けることにより、承継することができる。 また、通関業を譲り渡した場合には、あらかじめ税関長の承認を受けることにより、譲り受けた者は、「通関業の許可に基づく地位」を承継することができる。

法人の場合

通関業者について合併若しくは、分割(通関業を承継させるものに限る。)があった場合又は、通関業を譲り渡した場合、には、あらかじめ税関長の承認を受けることにより、合併後存続する法人、合併により設立された法人、分割により通関業を承継した法人又は、通関業を譲り受けた法人は、「通関業の許可に基づく地位」を承継することができる。

ただし、通関業の許可基準(通関業法5条各号)のいずれかに適合しない場合や欠格事由(通関業法6条各号)のいずれかに該当する場合には、承認はされない(通関業法11条の2第5項)。 税関長は、「通関業の許可に基づく地位の承継」を承認する際に、承認に係る通関業の許可の条件を取り消したり、変更したり、又、新たに条件を付すことができる(通関業法11条の2第6項)。 また、税関長は、承認をした場合には、直ちにその旨を公告しなければならない(通関業法11条の2第7項)。

6. 通関業の許可の消滅(通関業法10条)

許可の消滅事由は、①通関業を廃止したとき、②死亡した場合で、被相続人の死亡後60日以内に承継の申請がされなかったとき又は、税関長から(通関業の許可に基づく地位の承継の)承認をしない旨の処分があったとき、③法人が解散したとき、④破産手続開始の決定を受けたときである。

7. AEO業者の認定・承認に基づく地位の承継(関税法63条の8の2、79条の6)

今般の改正により、認定通関業者及び特定保税運送者も認定、承認に基づく地位の承継を受けることができるようになった。

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