第46回通関士試験合格体験記 Y.M. 様
- Y.M. 様
第46回通関士試験を合格することができましたY.M.と申します。
通関士試験は昨年の第45回に初めて受けたので、今度で2度目になります。2011年の4月に試験を受けることを思い立ち勉強し始めましたので、期間としては1年半ほど。
ただ、第45回試験後、職業訓練校に行ったりし、その期間は学習できませんでしたので、実学習期間としては1年くらいになります。総学習時間は約1,300時間。あまり覚えるのが早いとは言えないので、長い方かもしれません。
通関士試験を受けようと思ったきっかけは、いくつかあります。以前にやっていた仕事で貿易書類を作成しており、その際に通関時のトラブルをみて、通関に興味を持ったこと、東日本大震災・原発事故を経験して世界での日本の立ち位置を考え輸出業務をしていきたいと思ったこと、より貿易業界において有利な資格をとろうと思ったこと、貿易において通関は必ず必要で、法律を含めた知識の取得も実業務において役に立つであろうと考えたこと。特に日本の良いものを輸出したいという気持ちが強く生まれたことが、諦めずに学習できた理由だと思います。
そのように強い希望を持って臨んだわけですが、以前に貿易書類を作成していたにも関わらず(その時は貿易に対する知識が全然無く仕事をしていた)、学習をし始めた当初は参考書の言葉がものすごく難しく感じられ、かなり理解するのに苦労を感じました。とにかく問題を解いてかじりつくしかないと思って勉強しましたので、合格発表に自分の受験番号を見たときは何度も確かめ、本当に嬉しく思いました。
学習に使用した参考書は、第45回を受けたときは、マウンハーフジャパン・片山先生著の通関士・合格ハンドブックでした。選んだ決め手は、短期間で合格され現在通関士として活躍されている方のホームページにお薦めの参考書とあったこと、実際に目で見て、内容が充実し、かつ、自分にとって見やすかったこと、です。
教材としてはマウンハーフジャパンさんのものが使いやすかったので、第46回を受けるにあたって、マウンハーフジャパンさんの通信教育・マスターコースを利用しました。教材として信頼していること、申告書問題の解説CDが付いてくること、メールを通して先生に質問させていただけることや、片山先生のスクーリングの授業がある事、法律改正情報がある事が魅力でした。
マスターコースについてくる参考書の中で、特に役にたったのが通関士ベーシックマニュアル通関業法・通関書類作成の参考書です。計算問題が充実し、何度もやることで試験に通用する計算力が得られると思います。3教科あるなかで自分としての1番の課題教科は「通関書類の作成要領その他通関手続の実務」でしたので、この参考書はしょっちゅう持ち歩いて勉強しました。
その1番の課題教科でも、特に苦手だったのが、申告書問題。まずは慣れることが肝心でした。英語表記のINVOICEや関税率表、関税率表コード(輸出統計品目表コード)を選択肢から選ぶこと、少額品の計算処理などなど。そのうえで、いろいろなパターンを踏まえた問題を学習しました。
あとは一番時間が足りないと感じる教科なので問題を解く時間の効率化も大事です。計算しなくて済むものは計算しない、という。また過去問をやることで近年の傾向を肌で感じることも重要だと思います。ここ数年、注意力を問われているような問題が増えている気がしましたので、類注をよく読んだり、問題にヒントが隠れていないか確認するようにしました。
計算問題は参考書の問題をじっくり取り組めば、そんなに難しくはないと思います。現実支払価格、加算費用や減算費用、課税物件確定の時期、適用法令日については、頭を整理して細かな部分までしっかり入れることが肝心ですが、あとはパターンがある程度決まった問題が多いので、問題を多く解き、確実に解けるところまでやりこむといいと思います。
関税率表の分類は、第45回の時はマウンハーフジャパン・片山先生著の通関士テーマ別問題集についているオリジナルカードを中心に勉強し、第46回は通関士ベーシックマニュアル通関業法・通関実務の参考書にある問題を中心にやっています。ただ、毎年新しいものが増える印象があるので、税関のホームページにある実行関税率表の最新版で、よく出る類の類注を読んだり、どんな品目があるか問題集にでてくる以外の品目もチェックしたりしています。
学習中苦労を感じたのは、似て非なるものがかなりあり、それを頭の中できちんと整理しないとなかなか覚えられないことです。AEO制度や輸出差止申立制度、輸入差止申立制度などが自分にとってその対象です。もちろん参考書には、表などを使って様々な手助けをしてくれていますが、自分にとってはまだ足りず、持ち歩けるメモ帳を用意し、自分が混乱しやすいものをピックアップして、自分なりの表を作りました。自分で表を作ることで頭が少しずつ整理され、あまり混同しないで済むようになりました。
計算問題について、ある程度独学で理解はしているという実感はありましたが、細かな部分まで補強するという意味では7月のスクーリング授業は受けられて良かったと思います。自分がちゃんと理解しているかを確認したかったのですが、それ以外にも、自分では気づかない視点から問題把握ができ、試験前まで少し余裕のある時期なので、自分の学習方法を意識して勉強ができました。
また同じ意味合いで、8月の模擬試験も有効でした。模擬試験は、自分の成績や順位を確かめたいというよりは、新しい問題に触れたいという気持ちから受けています。
ちょうど手持ちの問題集を何度もやって、慣れが生じていましたので、同じことでも言い回しが変わると 迷いが生じるような応用問題を多く経験して、基礎力の確認をしたかったからです。模擬試験を受けることで、ああこの部分は把握が足りなかった、もう一度確認しようといった事が何項目もありましたので、ありがたかったです。
試験の1か月ちょっと前から仕事をし始めたので、働きながら合格したとは言えませんが、初めの2週間はろくに勉強ができず、かなり焦りを感じました。最後の3週間は、1日2時間は問題を解くことを目標に勉強しています。ただ通勤は往復2時間ほどありますので、必ず参考書を持ち歩いて学習していました。きっと仕事をされつつ勉強される方も多くいらっしゃると思います。大変ではありますが、 1日必ず何時間かは問題を解くことが大事だと思いますので、少しでも合間があれば、1問でも多く問題を解かれるとよいかもしれません。
私にとって、合格は終わりではなく、自分のやりたい事への1歩だと考えています。むしろ、これからもっと色々と頑張っていかなければならないと思いますが、それでも少し道が開けたと感じています。
これから通関士試験を受験される方の動機は様々だと思いますが、ぜひ強い希望を持って、通関士試験に臨まれると、より合格に近づけると思います。1年に1回しかありませんので、気持ちがぐらつくこともあるかもしれませんが、目標に向かって自分で自分を押し上げてください。強く望み、学習するという行動によって、皆さんの道が1歩開けることお祈り申し上げます。
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