片山立志の通関士絶対合格コラム 第9回
皆さんこんにちは、片山立志です。
今回は、特定輸出者の行う輸出申告に関する問題です。
輸出申告の原則との比較を意識ながら考えていきましょう。
問題
特定輸出者が保税地域等に入れないで輸出申告をした場合、輸出許可を受けるためには、保税地域等に搬入しなければならない。
正しいか、誤りか?
解答・解説
答えは、「誤り」です。
【ポイント1】
特定輸出者は、コンプライアンスとともにセキュリティ管理が行き届いている輸出者に対する制度です。
特定輸出者は、自ら税関長に申請し審査の上、税関長が承認する者です。
この特定輸出者が輸出申告し、輸出許可を受けた貨物は、関税法上、特定輸出貨物と呼ばれます。
【ポイント2】
原則として輸出申告は、保税地域等に搬入して行う必要はありませんが、
輸出許可を受けるためには、保税地域等に搬入する必要があります。
【ポイント3】
では、特定輸出者の場合はどうでしょうか。
特定輸出者が輸出申告を行った場合は、保税地域等に搬入することなく輸出許可を受けることができます。(関税法67条の3第1項)
ポイント2の例外が認められています。
よって、「誤り」となります。
いかがでしたか?
ちなみに、輸出許可を受けた後に特定輸出貨物の保税運送をする場合、保税運送の承認は、不要です。
特定輸出者とは、このように通関上の便宜を図り迅速な通関を確保しようという制度です。
原則に対して例外が設けられている意味を理解すると、すんなり頭に入ってきます。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/2/6 配信分掲載