片山立志の通関士絶対合格コラム 第5回
皆さんこんにちは、片山立志です。
それでは、本日の問題です。
問題
保税蔵置場に蔵置されている外国貨物の一部を、その所有者が分析のための見本としてその保税蔵置場内で消費する行為は輸入とみなされる。
正しいか、誤りか?
解答・解説
答えは、「正しい」です。
みなし輸入は、該当する行為・該当しない行為をしっかり把握しておきましょう。
【ポイント1】
関税法では、外国貨物が輸入許可を受ける前に、本邦において使用され又は消費された場合、
使用し又は消費した者が、その使用又は消費の時に、この外国貨物を輸入するものとみなされると規定されています。
つまり、輸入(許可)前に国内で使用又は消費すると、その使用又は消費した人に納税義務が発生します。
【ポイント2】
「その所有者が分析のための見本としてその保税蔵置場内で消費する行為は輸入」であるのか?
みなし輸入には例外がありますが、該当するケースは
その者に関税を負担させるのが酷であったり、不合理で会ったりする場合です。
例えば、旅客や乗組員が個人用に携帯し国内に持ち込んだアメ玉を通関前に食べたりする場合がこれに当たります。
こうした軽微な使用や消費はすべて把握するのが難しく、また関税を課すのは合理的でないということです。
【ポイント3】
外国貨物の一部を、その所有者が、分析のための見本として使用する行為は、
ポイント1でも述べた関税法上の原則に沿った範囲の使用とみなされます。
よって、答えは「正しい」となります。
いかがでしたでしょうか?
例外を押さえれば、同時にその基礎となる事柄も理解することができるようになります。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/1/9 配信分掲載