片山立志先生の通関士合格ポイントコラム 第39回

皆さんこんにちは、片山立志です。

さて、今日はいよいよ実務科目にも関わる、課税価格の決定に関する問題です。

問題

【次の文章を読み、○か✕か答えなさい。】

輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料のうち、買付けに関し当該買手を代理する者に対し、当該買付けに係る業務の対価として支払われるものの額は、課税価格に含まれる。

解答・解説

正解は、「×」です。

今回の問題は計算式問題だけでなく正誤問題でも問われることがある部分です。確実に得点源としましょう。

輸入取引により輸入された貨物で、輸入にあたり、「特別な事情」がない場合は、課税価格の決定の原則に基づいて課税価格が決定されます。なお、ここでいう「輸入取引」とは、現実に貨物が輸入されることとなった取引であって、当該貨物を外国から本邦へ引取ることを目的として行われた売買をいいます。
課税価格の決定は、原則として輸入貨物に係る輸入取引がされたときに、買手(輸入者)により売手(輸出者)に対し”直接に”、又は、売手(輸出者)のために”間接に”、輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格を基準として行います。課税価格の計算や申告価格の算出においては、現実支払価格や加算要素に加えるべき費用等と含めない費用等の見極めが重要です。

さて、今回の場合はというと、現実支払価格に含まれる費用が列挙してあるうちの、関税定率法第4条第1項第2号イを見てみましょう。
「仲介料その他の手数料(買付けに関し当該買手を代理する者に対し、当該買付けに係る業務の対価として支払われるものを除く。)」
つまり、輸入貨物そのものの購入に関して支払われた買付手数料は、課税価格に算入しないということです。

したがって、これは「誤り」となります。

いかがでしたか?
なお、これは裏を返せば輸入貨物の生産のために使用する原材料の買付を行った代理人に対する買付手数料は、「輸入貨物」そのものの買付けの場合と異なり、課税価格に算入しなければならないということです。この区別もよく問われる論点ですから、問題文をよく注意して読みましょう。

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