片山立志先生の通関士合格ポイントコラム 第20回
皆さんこんにちは、片山立志です。
前回から引き続き、保税地域等に関する問題です。
第57回通関士試験の情報が発表されました。
問題
【次の文章を読み、○か✕か答えなさい。】
保税工場に外国貨物を置くことができる期間は、税関長が特別の事由があると認めるときを除いて、当該保税工場に置くことが承認された日から2年である。
解答・解説
正解は、「○」です。
前回は「保税蔵置場」についてお話ししました。長期蔵置できる期間は、「最初に保税蔵置場に置くことの承認の日(蔵入承認の日)から2年」でしたね。
今回は保税工場の話ですが、保税工場で使用する原材料などを置くだけなら、承認を受けずに3月(=3か月間)保税工場に蔵置できます。しかし、この原材料を使用した製造(保税作業)をしようとする場合や、3月を超えて保税工場に置こうとする場合は、その超えることとなる日前又は保税作業に使用する日前に、税関長に申請し、その承認を受けなければなりません。これが、移入承認です。移し入れ承認を受けた場合、移入承認の日から2年間置き、また保税作業をすることができます。
では、A工場で移入承認を受け、その後、B工場に移しそこでも移入承認を受けたというような場合には、結局何年間置くことができるのでしょうか。移入承認により貨物を置いておくことができる期間は「当該保税工場に当該貨物を保税作業のために置くこと又は当該保税工場において当該貨物を保税作業に使用することが承認された日から2年」とされています。つまり、最初のA工場での移入承認は関係なく、B工場で受けた移入承認の日から2年となります。つまり、通算せず、「当該移入承認の日から2年」なのです。
したがって、正しい記述です。
保税蔵置場の蔵置期間と間違えないよう注意してください。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2023/7/6 配信分掲載