片山立志先生の通関士合格ポイントコラム 第18回
皆さんこんにちは、片山立志です。
今回も特別編。2題連続で解いてみましょう。
また、第57回通関士試験の情報が発表されました。
問題
【次の文章を読み、○か✕か答えなさい。】
1)原産地を偽った表示がされている外国貨物については、保税蔵置場に置くことの承認を受けることができない。
2)真正な原産地以外の国の著名な風景が表示されている外国貨物は、原産地について誤認を生じさせる表示に該当するものとして取り扱われ、輸入許可を受けることはできない。
解答・解説
正解は、どちらも「✕」です。
原産地について直接又は間接に偽った表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入は許可されません。税関長は期間を指定して輸入者にこれを消すか、訂正するか、積みもどすかを選択させます。輸入をしたい場合は、その表示を消すか訂正するかしなければなりません。これが原則です。
では、1)のような場合はどうでしょう。「原産地を偽った表示がされている外国貨物については、保税蔵置場に置くことの承認を受けることができない。」という規定は、関税法にはありません。そのため、直接又は間接に偽った表示がされた貨物であっても蔵入れ承認を受けることはできます。誤った記述です。
次に、2)の場合ですが、「関税法基本通達」というルールで、このような貨物は原産地について誤認を表示させる貨物には該当しないと取り扱っています。こちらも誤った記述です。
したがって、1, 2ともに誤りです。
いかがでしたか?
保税蔵置場など他の論点と組み合わせた問題であっても、原則と例外の基礎知識を備えておけば対応できます。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2023/7/2 配信分掲載