片山立志の通関士絶対合格コラム 第56回

皆さんこんにちは、片山立志です。

9月の直前期ということで、計算式問題に挑戦しましょう。
基本事項が詰まっている本番と同レベルの問題ですので、ここで必ず解けるようにしておくのがよいです。

問題

外国貨物について輸入(納税)申告をしたが、納税後において下記の通り課税標準となる価格及び適用税率に誤りがあることが判明し、修正申告をすることとなった。当該修正申告により納付すべき関税額には過少申告加算税が課されることとなったが、その過少申告加算税額を計算し、解答しなさい。

修正申告前の課税標準額:3,396,443円
修正申告後の課税標準額:12,289,487円

修正申告前の適用税率:15.5%
修正申告後の適用税率:8.9%

解答・解説

【ポイント1】
まずは修正前と修正後の関税額を求めます。

《修正申告前の関税額(当初申告税額)》
  3,396,000円(千円未満切捨て)x15.5%=526,380円
  修正申告前の関税額=526,300円・・・(1)(当初申告税額)
《修正申告後の関税額》
  12,289,000円(千円未満切捨て)x8.9%=1,093,721円
  修正申告後の関税額=1,093,700円(百円未満切捨て)・・・(2)

【ポイント2】
修正申告により納付すべき関税額を求め、求めた額を基準に過少申告加算税額を計算します。

《修正申告により納付すべき関税額(増差税額)》
  (2)-(1)=1,093,700円-526,300円=567,400円・・・(3)(増差税額)
《10%過少申告加算税》
  560,000円(一万円未満切捨て)x10%=56,000円・・・(4)

【ポイント3】
以上、「56,000円」とここで判断してはいけません。
「増差税額」が「当初申告税額」と「50万円」との「いずれか多い金額」を超えるとき、その超える部分に5%を乗じた金額が加重分となる
加重過少申告加算税額5%の有無を判断し、加重される場合は10%税額と合計した額を求めます(関税法12条の2第2項)。

《基準額の決定》
  上記(1)当初申告額 526,300円 > 足切額 50万円・・・基準額は当書申告額(1) 526,300円
《増差税額と基準額との比較》
  増差税額(3) 567,400円-当初申告額(1) 526,300円=41,100円
《5%加重過少申告加算税》
  40,000円(一万円未満切捨て)x5%=2,000円・・・(5)
《納付すべき過少申告加算税》
   (4)+(5)=56,000円+2,000円=58,000円

したがって、正解は「58,000円」です。

いかがでしたか?
加重過少申告加算税(5%)があるかどうかは、出題年(問題)によって変わります。
10%過少申告加算税額を求めたところで安心してはいけません。併せて必ず加重過少申告加算税の有無も判断するクセをつけましょう。

マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/9/18 配信分掲載

2024年度通関士絶対合格通信講座 お申込み受付中!

通関士受験指導の第一人者「片山立志」先生の講義を受講できるのはマウンハーフだけ!

通関士絶対合格通信講座の申込受付スタート!!