片山立志の通関士絶対合格コラム 第44回
皆さんこんにちは、片山立志です。
さて、今日は関税暫定措置法と特恵関税に関する問題です。
問題
特恵関税の適用を受ける物品についても、関税暫定措置法第8条(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)に規定する関税の軽減を受けることができる。
正しいでしょうか、誤りでしょうか?
解答・解説
【ポイント1】
特恵関税とは、特恵受益国(地域)を原産地とする貨物の輸入に際し、便益を受けることができる制度です。開発途上国であり、特別の便益を受けることを希望するもののうち、便益を受けることが適当であると政令で定められているものが特恵受益国(地域)に該当します。
【ポイント2】
続いて関税暫定措置法第8条ですが、これは加工又は組立てのため、本邦から輸出された貨物を原料又は材料とした一定の製品で、その輸出の許可の日から原則として1年以内に輸入されるものについては、その関税を軽減することができる、という制度です。特恵関税が適用される物品に暫定措置法第8条の減税が重ねて適用できるのか、という問題です。
【ポイント3】
暫定措置法8条1項には対象となる貨物が列挙されており、同法8条2項には減税を適用しない貨物が記載してあります。この8条2項が、特恵関税(特別特恵関税を含む)の適用を受ける物品についてはこの減税制度の適用は受けられない、という旨の規定となっているのです。
したがって、これは「誤り」となります。
いかがでしたか?
いわゆる暫八(ザンパチ)に関する問題でした。皮革製品や繊維製品等に関する問題では暫八に注意しましょう。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/6/26 配信分掲載