片山立志の通関士絶対合格コラム 第28回
皆さんこんにちは、片山立志です。
さあ、本日は貨物の収容について解説していきます。
問題
保税蔵置場におかれている内国貨物については、収容されることはない。
正しいでしょうか、誤りでしょうか?
解答・解説
【ポイント1】
通常、保税地域に置かれた外国貨物が法定期間を過ぎてもまだなお置かれている場合に税関長が当該貨物を占有をもって「収容」をします。たとえば、指定保税地域の場合、当該指定保税地域にある「外国貨物」で、入れた日から1か月を経過したものについては「収容」の対象になります。
【ポイント2】
重要な点は、収容の対象のほとんどが「外国貨物」ということです。では、「税関長は保税蔵置場にある輸入の許可を受けた貨物で、当該許可の日から3月を経過しても当該保税蔵置場に置かれているものは収容することができる。」という問題の場合正しいと思いますか?輸入許可貨物は内国貨物ですから、この場合、収容対象にはなりません。
【ポイント3】
ここまででは、あーやっぱり、内国貨物は収容の対象にならないのか。とお思いになるでしょう。ところが、収容の対象となる場合が一つあります。「保税地域にある貨物のうち、関税法106条1号(特別の場合における税関長の権限)の規定により、期間を指定して搬出命令が出されたもの」で、その期間が経過した時は、収容の対象になるのです。
したがって、正解は「誤り」です。
そもそも「収容」の目的の一つに、保税地域についてその障害を除くためというのがあります。内国貨物が長く置かれていては確かに障害になるため、このような規定が設けられているのですね。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/5/1 配信分掲載