片山立志の通関士絶対合格コラム 第26回
皆さんこんにちは、片山立志です。
前回に引き続き、保税運送シリーズの問題です。
問題
本邦に到着した外国貿易船等に積まれていた外国貨物で、引き続き当該外国貿易船等により本邦の他の開港の運送される場合には、保税運送の承認は不要である。
正しいでしょうか、誤りでしょうか?
解答・解説
【ポイント1】
税関長の承認を受け、開講、税関空港、保税地域、税関官署及び他所蔵置場所相互間に限って外国貨物のまま運送することができます(関税法63条1項)。これが、関税を留保したまま運送ができる「保税運送」です。
【ポイント2】
保税運送の手続きを要しない外国貨物が関税法で定められています。
今回のケースが、これに該当するかがカギです。
【ポイント3】
「本邦に到着した外国貿易船等に積まれていた外国貨物で、引き続き当該外国貿易船等により、又は、他の外国貿易船等に積み替えられて運送されるもの」は、保税運送の手続きが必要ない外国貨物に該当します。
したがって、正解は「正しい」です。
たとえば、外国から横浜港に到着した外国貿易船に積まれていた外国貨物を、引き続きその船により名古屋港まで運送する場合、横浜ー名古屋間は、保税運送に該当し、保税運送の承認は不要です。
では、横浜港で他の外国貿易船に積み替えて名古屋港まで運送した場合はどうかというと、この場合も保税運送の承認は不要です。ポイント3をよく読めば理解できますね。
保税運送の承認が不要になる場合は重要な論点ですから、復習をしておきましょう!
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/4/24 配信分掲載