片山立志の通関士絶対合格コラム 第19回
皆さんこんにちは、片山立志です。
さて、今日は前回に引き続き、輸入に際しての担保の提供の解説です。
今回は特別編、2題連続で解いてみましょう。
問題
1)特例輸入者が輸入許可前貨物の引取り承認を受ける場合は、担保の提供は、不要である。
2)税関の都合で輸入許可が遅延するため輸入許可前貨物の引取り承認を受ける場合には、担保の提供は不要である。
それぞれ、正しいでしょうか?誤りでしょうか?
解答・解説
【ポイント1】
外国貨物を輸入申告の後、輸入の許可前に引き取ろうとする者は、承認の申請書とともに関税額に相当する担保を提供して税関長の承認を受けなければなりません。
【ポイント2】
1,2とも輸入許可前貨物の引取り承認申請の際の担保の提供不要の例外を問うている問題ですが、担保の提供は絶対に必要なもので、例外はありません。
【ポイント3】
では本題ですが、そもそも「特例申告貨物」は輸入許可前における貨物の引取制度の対象ではありません。特例輸入者は、そもそもこの制度を利用することはできず、担保の提供云々の前にそもそも間違っている文章なのです。
したがって、正解は1, 2ともに「誤り」です。
いかがでしたか?
なお、この輸入許可前貨物の引取り承認は、申告納税方式をとる貨物の場合の制度です。賦課課税方式をとる貨物には、適用されません。
試験ではもっともらしく問題が出題されますから、正確な知識をつけておかないとまんまと引っかかってしまいます。
マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2022/3/30 配信分掲載