輸出してはならない貨物(1)

皆さんこんにちは。片山立志です。

今回は、「輸出してはならない貨物」についてお話ししましょう。

過去、どんな問題が出題されているのでしょうか。探ってみましょう。

問題

税関長は、不正競争防止法第2条1項3号に掲げる行為(同法19条1項5号―適用除外―の定める行為を除く。)を組成する物品に該当するか否かについての認定手続において、その認定をするため必要があると認めるときは、経済産業大臣に対し、当該認定のための参考になるべき意見を求めることができる。

こういう問題を見ると、不正競争防止法の条文をある程度把握しておかなければならないかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。

不正競争防止法2条1項には、不正競争となる行為を「定義」の規定で定めています。これらの行為を組成する物品がすべて「輸入してはならない貨物」や「輸出してはならない貨物」に該当するわけではありません。

つぎに該当する行為を組成する物品は、これらに該当します。

(1)周知表示混同惹起行為
1号
(2)著名表示冒用行為
2号
(3)商品形態模倣行為
3号
(4)営業秘密不正使用行為
10号
(5)技術的制限手段無効化行為
11号
(6)技術的制限手段特定無効化行為
12号

つまり、1号~3号、10号から12号 に該当する行為を組成する物品が該当するということなのです。これは、輸入してはならない貨物も輸出してはならない貨物も同じです。

周知、著名、模倣が1,2,3、営業秘密・技術が10,11,12のそれぞれの号に定められています。

とはいっても、一生懸命暗記することは不要です。この問題は、認定手続きにあたり必要に応じて「経済産業大臣」の意見を聞くことができるかという問題です。

答は、不正競争防止法違反物品については、「輸出してはならない貨物」に該当するか否かの認定手続きにあたり、税関長は、必要に応じて経済産業大臣に対し意見を求めることができます。

ですから、1号、2号、3号、10号、11号、12号を一パックとして「不正競争防止法違反物品」と把握すればよいのです。なので、この問題は、正解ですね。

なお、問題文に「同法19条1項5号―適用除外―の定める行為を除く」とあります。同法とは、不正競争防止法のことを言っているのは、文脈からおわかりでしょう。

これは、不正競争防止法19条は、適用除外が定められているわけですが、それは、例えば、商品形態模倣行為があっても不正競争防止法違反にならない事由が定められているのです。通関士の試験問題を解く上では、そう気にしなくていいのです。行為が適用除外になるのなら、そもそもこの行為を組成する物品であっても「輸入してはならない貨物」や「輸出してはならない貨物」には該当しないからです。

ところで、一パックで覚えるとよいとお話ししましたが、次のような問題はどうでしょう。

問題

不正競争防止法第2条1項3号に掲げる行為(同法19条1項5号―適用除外―の定める行為を除く。)を組成する物品に該当するか否かについての認定手続において、輸出者は、税関長に対し当該行為を組成する貨物に該当するかどうかについて経済産業大臣の意見を聴くことを求めることができる。

これはどうしょう。この問題は、パックとしてではなく、10号のみを覚えておくといいでしょう。10号は、営業秘密不正使用行為です。

「輸入してはならない貨物」のところでもお話したことを思い出してください。

不正競争防止法違反物品の場合では、営業秘密不正使用行為を組成する物品の場合のみ輸入者や権利者は、税関長に対し経済産業大臣の意見を聴くように求めることができるのでしたね(関税法69条の18第1項)。

輸出してはならない貨物も同様です(関税法69条の7第1項)。

とすると、不正競争防止法第2条1項3号に掲げる行為、すなわち「商品形態模倣行為」ですが、この行為を組成する物品について、輸出者などが税関長に経済産業大臣の意見を求めることができるかというと、できませんね。
したがって、これは、誤りです。

これが、不正競争防止法第2条1項10号だったらどうでしょう。営業秘密不正使用行為ですから、この行為を組成する物品の場合は、輸出者などは、税関長に対して経済産業大臣の意見を聴くことの求めができることになります。

マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2019/03/17 配信分掲載

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