輸入してはならない貨物(5)

皆さんこんにちは。片山立志です。

「輸入してはならない貨物」と「輸出してはならない貨物」から試験問題は、毎年1題ずつ出題されています。ですから、ここは、得点源になる分野でもあるのです。

今日は、認定手続きについてお話していきましょう。

典型的な問題です。

税関長は、著作権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続きにおいて、専門委員に対し意見を求めるときは、その旨及び理由を記載した書面に、当該意見の求めに係る疑義貨物についての資料をその他の専門委員が意見を述べるに際し参考となるべき資料を添えて、専門委員に送付するものとする。

第50回通関士試験より

この問題にあるように認定手続きについて貨物が知的財産権侵害物品に該当するか否かを、税関長は、意見を求めることができます。

この手の問題は、

(1)どのような場合に?(この問題は、どのような場合には、問われていませんが。)

(2)誰に?

というのが、実はポイントなのです。

実は、知的財産権の種類によって異なります。
ちょっと整理してみましょう。

(1)どのような場合に?

これは、税関長が必要に応じて聞く場合、もう一つは、輸入者や権利者の求めに応じて必要だと判断し聞く場合(つまり、輸入者や権利者が税関長に聞いてくれと頼むことができる場合)

この2つの場合が想定されます。

後者の輸入者や権利者が税関長に聞いてくれと言える場合は、輸入貨物について特許権侵害、意匠権侵害、実用新案権侵害の疑いがある場合でその権利の及ぶ範囲について及び営業秘密不正使用行為の疑いがある場合です。

例えば、特許権の場合、特許の及ぶ技術的範囲について特許庁長官に聞いてくれという場合です。

これら以外は、輸入者や権利者は、意見の聴取の求めは、できません。

たとえば、特許権者でも特許の及ぶ技術的範囲以外の事項については、税関長に意見の聴取の求めはできません。

(2)税関長は、誰に意見の聴取を行うのか

この意見聴取先は、しっかり覚えておきましょう。

育成者権侵害物品の場合
農林水産大臣
不正競争防止法違反物品の場合
経済産業大臣
特許権、実用新案権、意匠権侵害物品の場合で権利の範囲について
特許庁長官
それ以外の場合
専門委員

つまり著作権侵害物品か否かの認定にあたって、税関長が意見を聞く相手は、専門委員ということになります。

したがって、この例題は、「正しい」が正解です。

では、次の問題は、どうでしょう。

税関長は、著作隣接権にかかる輸入差し止め申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、文化庁長官に対し、当該申立ての際に提出された証拠が当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りると認められるか否かについて、意見を求めることができる。

著作隣接権侵害の疑義物品については、専門委員に意見を求めることができるのであって、決して文化庁長官ではありません。知らないと、もっともらしく見えてしまいます。注意をしましょう。

ところで、専門委員とは、何者なのでしょうか。

関税法69条の14等に定められています。

「申立先税関長は、前条第一項の規定による申立てがあつた場合において必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であってその申立てに係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、同項の規定により提出された証拠が当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りると認められるか否かについて、意見を求めることができる。
ただし、同項後段の規定により経済産業大臣の意見又は認定を求めるべき事項については、この限りでない。」

関税法69条の14等

具体的には、大学の先生や弁護士などが専門委員の候補者として挙げられています。

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