輸入してはならない貨物(4)

皆さんこんにちは。片山立志です。

今日は、輸入差止申立についてお話しましょう。

商標権などの権利者が輸入差止申立を行う場合には、侵害の事実を疎明するための資料を提出する必要があります。提出先は、いずれかの税関長です。

この疎明するための資料とは、税関長に侵害の事実を確からしいと推測してもらう程度の資料をいいます。

ところで、輸入してはならない貨物の中に不正競争防止法違反物品があります。この違反物品の場合、疎明する資料に経済産業大臣の書面が必要になります。この書面については、ちょっと整理をしておかないと混乱してしますことがあります。

まずは、輸入してはならない貨物に該当する不正競争違反物品とは何かを見てみましょう。

(1) 周知表示混同惹起行為
(2) 著名表示冒用行為
(3) 商品形態模倣行為
(4) 営業秘密不正行為
(5) 技術的制限手段無効化行為
(6) 技術的制限手段特定無効化行為

この(1)から(6)を組成する物品は、輸入してはならない貨物に該当します。

これらのうち、(4)「営業秘密不正行為によって組成された物品」については、他の不正競争違反物品の場合とは、異なる経済産業大臣の認定書が必要です。

不正使用行為により生じた貨物を輸入するおそれのある者(輸入しようとする者)が、貨物を譲り受けた時に当該貨物が「不正使用行為により生じた物であることを知らず、かつ知らないことにつき重大な過失がない者でないことについての認定」を経済産業大臣に求めてその認定書を申立税関長に提出する必要があります(関税法69条の13)。

一回読んだだけでは、何かぴんと来ないと思います。法律独特な言い回しですよね。

つまり知らないこと かつ(又はではないことにも注意)知らないことに重大な過失がない者でないこと の認定を受ける必要があるといっているのです。つまり、輸入しようとしている者について「知らないことについて重大な過失がある者」であることの認定を受けろと言っているのです。

ですから、輸入しようとしている者について、知らないことについて「重大な過失がない者」である場合には、この認定を受けられないということになります。

ところで、では、(4)以外の場合は、どのような書類が必要になるのでしょう。
「周知表示混同惹起行為を組成する物品」の場合を例にとると「需要者の間に広く認識されていることその他経済産業省令で定める事項が記載された経済産業大臣の意見書」を提出する必要があります。

まとめてみると、(4)の営業秘密不正使用行為を組成する物品の場合、経済産業大臣の「認定の内容が記載されている書面」が必要です。一方、それ以外は、経済産業大臣の「意見が記載された書面」が必要だという相違点があります。

また、いずれの場合も、申立て税関長は、申立てがされても侵害の事実を疎明するのに足りる証拠がないと認めるときは、申立てを受理しないことができるとされています(関税法69条の13第2項)。
この場合、その旨及び理由を当該申立てをした者に通知しなければなりません(同条第3項)。

今日は、ちょっと理屈っぽいお話でした。

マウンハーフジャパン【通関士絶対合格通信講座】メルマガ 2019/03/03 配信分掲載

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