輸入してはならない貨物(3)

皆さんこんにちは。片山立志です。

さて、「輸入してはならない貨物」についてもう少しお話をしましょう。

【問題】

次の肢のうち正しいものには、〇を、誤っているものには、×をつけてください。

[1]  税関長は、輸入しようとする外国貨物のうちに商標権を侵害する物品があると思料するときは、当該物品について没収、廃棄しなければならない。

[2]  税関長は、輸入しようとする外国貨物のうちに児童ポルノに該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときには、当該物品について没収、廃棄をしなければならない。

[3]  税関長は、輸入しようとする外国貨物のうちに薬機法に規定する指定薬物と認めるのに相当の理由がある物品があるときには、当該物品について没収、廃棄をしなければならない。

いかがだったでしょうか。

では、解説していきましょう。

[1] 
商標権侵害物品と税関長が思料するだけでは、没収・廃棄を行うことはできません。

必ず、税関長は、「認定手続き」を行い侵害物品か否か、つまり「白」か「黒」か認定する必要があります。そのうえで、「黒」となった場合、はじめて没収・廃棄することができるのです。したがって、誤りです。

認定手続きが必要な場合は、商標権のほか、特許権、実用新案権などの知的財産権侵害物品や不正競争防止法違反物品の場合です。これらは、認定手続きで「黒」と認定された場合にのみ没収・廃棄することができます。

[2]
児童ポルノや公安又は風俗を害すべき書籍については、没収・廃棄ができません。これらに該当すると認めるのに相当な理由がある貨物がある場合は、「通知」をしなければなりません。したがって、誤りです。

[3]
薬機法に規定する指定薬物に該当する物品があるときには、税関長は、当該貨物について「没収・廃棄し、又は当該貨物を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができる。」(関税法69条の11第2項)と規定されています。ですから、「当該物品について没収、廃棄をしなければならない。」という記述は誤りです。

「しなければならない」という場合には、税関長の裁量は、ありません。一方、「することができる。」という規定は、税関長の裁量を認めている規定です。

[1]の問題に戻りますが、商標権侵害物品と税関長が思料するときには、認定手続きを執らなければならない(関税法69条の12第1項)とされていること。そして、「黒」と認定された時は、「没収・廃棄し、又は当該貨物を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができる。」(関税法69条の11第2項)と規定されていることにも注意してください。

ということは、すべて誤り(×)。正しいものは、ありませんでした。

ちょっと意地が悪い問題でしたね。通関士試験は、判例や学説が問われる試験ではなく、「条文」を正確に理解しているかの試験です。条文を丁寧に読むということは、大変重要なことです。

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